2007年のニュース


●年末恒例「えと人形を塗ろう」開催(2007.12.8〜9)

  

12月8日(土)、9日(日)の両日、年末の恒例行事「えと人形を塗ろう」を行いました。
「えと人形を塗ろう」は、当館の講座・教室のなかでも好評をいただいている行事で、今年も募集開始の翌日には定員いっぱいになる人気ぶりでした(参加できなかった方、申し訳ありません!)
参加された方々は、素焼きのえと人形を思い思いに塗り、花柄、全身金色、水玉模様など、色とりどりのネズミを完成させていました。なかにはネズミ色に塗られる方もいらっしゃいましたが、他はカラフルなネズミが多かったため、ネズミ色のネズミがなんだか新鮮に見えました。
なお、人形は半田市乙川地区に江戸時代から続く伝統玩具「乙川人形」です。絵付けを楽しむと同時にそうした郷土の伝統も知っていただければと考えています。



●南吉文学と音楽〜朗読・ヴァイオリン・ピアノのための「ごんぎつね」〜開催(2007.11.17)

  

 11月17日(日)、半田市民交流プラザホールで「南吉文学と音楽〜朗読・ヴァイオリン・ピアノのための「ごんぎつね」〜」を開催しました。会場には約100名が集まりました。
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 昨年開催した「詩と
音楽の夕べ」が好評だったこともあり、今年も、南吉文学を音楽とともに楽しんでいただく行事を行いました。

 第一部は、「南吉が愛したクラシック音楽」。彼が立ち寄った喫茶店で聞いて気に入ったという「アンダンテ・カンタービレ」(チャイコフスキー)や、最も好きだったという交響曲第六番「田園」を創ったベートーベンの「ロマンス」、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」など、矢口栄館長の解説を交え七曲が演奏されました。演奏は、矢口十詩子さん(ヴァイオリン・名古屋フィルハーモニー交響楽団員)と石川ひとみさん(ピアノ)でした。 
 続く第二部では、朗読の今井登茂子さん(元TBSアナウンサー)が加わり、田頭優子さん(名古屋音楽大学准教授)作曲『朗読・ヴァイオリン・ピアノのための「ごんぎつね」』が上演されました。本格的に発表するのは今回が初めて。今井さんの朗読を美しい音楽が盛り上げ、「ごんぎつね」の場面が目の前に見えてくるようでした。
 最後、田頭優子さんは、同曲を作曲したことについて、また今井登茂子さんは「ごんぎつね」の朗読に取り組んだことについて

「演奏を聴くと涙ぐんでしまいます。これからもこのシリーズで曲を書いていきたいと思っています。皆さんにも聴いていただければ嬉しいです。」(田頭)
「『ごんぎつね』の生まれた半田の空気にふれ、ごんぎつねの気持ちを思いながら読ませていただきました。少しは狐になれたかなあと思っています。」 (今井)
と感想を述べられました。



●南吉の恩師、巽聖歌の詩集出版「巽聖歌の詩と生涯」(2007.11.1)

 
「巽聖歌の詩と生涯」 内城弘隆・編著

 2005年は、童謡「たきび」を創った詩人巽聖歌の生誕100年にあたる年でした。それを記念して、彼の出身地岩手県紫波町で聖歌の顕彰活動を続けてきた内城弘隆さんが、聖歌の詩集の制作を計画、昨年11月に自費出版されました。
 聖歌は、南吉にとって北原白秋門下の兄弟子であり、大変慕っていました。南吉の死後、聖歌は彼の作品の発表に尽力、南吉の作品が多くの人に知られるようになったのは、聖歌のお陰と言っても過言ではありません。
 今回出版された詩集には、内城さんが選んだ「ふるさと」が感じられる作品100編が収められています。それぞれに解説が付き、南吉に関する記述も出てきます。また「たきび」など6曲が収録されたCDも付いています。 

問い合わせ:有限会社ツーワンライフ・019(698)2333  一冊1800円



●「どこからおいでたん?」 2ヵ月半で来館者全都道府県達成!(2007.10.8)

   
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今年の夏休みから、新美南吉記念館のエントランスホールに2枚のパネルがかかっています。パネルには南吉のふるさと岩滑の言葉で「どこからおいでたん?」の文字が。じつはこれ、来館されたお客様がどこから来られたのか、お住まいの場所に赤いシール貼っていただくもので、ひとつは東海地方の地図、もうひとつは全国の地図が表示されています。
夏休みから彼岸花のシーズンにかけて大勢のお客様が来館された結果、ついに10月8日(祝)、最後に残っていた鳥取県からもお客様が来られて、全都道府県からの来館が達成できました。愛知県内でも宝飯郡音羽町を除く、すべての市町村からお越しいただいています。遠くから大勢の方にお越しいただき、本当にありがとうございました。



●南吉の指導跡の残る作文が寄贈されました。(2007.9.30)



 このたび、安城高等女学校で新美南吉の教え子だった大村博子さん(東京都在住・81歳)から、南吉の指導跡の残る作文8篇など、原稿用紙にして28枚の資料が寄贈されました。
 大村さんが南吉から作文指導を受けるようになったのは、昭和15年のことです。転校生だった大村さんは、南吉が担任する3年生の学級に入りました。のちには南吉から頼まれ、原稿の清書を手伝うことになる方ですから、南吉から目をかけられた生徒の一人だったはずですが、彼女の初期の作文に対して書かれた評言はまことに手厳しいものでした。
 「『すー』がもうこれで二度。こんな言葉は一度使えば沢山です。僕なら一ぺんも使わない。」(作文「秋このごろ」)
「ありふれた追憶で、とり立てて書く程でもない。」(作文「初冬風景」)
 文章を書くうえで、南吉は観察の大切さを説きました。秋の夜空について、「星はかすかだ。消えるばかりに淡く…」と表現した作文「秋このごろ」に対しては、「秋夜、星はかすかではない。他の季節の星を考えてごらん。」と書いています。
 同じ作文の最後には、こうも記しています。
「努力はよく払われている。よく表面は磨かれてある。しかし『書臭』がつきまつわっている。君自身の独創性で光っている箇所がない。畢竟(ひっきょう)、観察が足りないのである。」 ※畢竟(ひっきょう)…要するに
 南吉は美文を戒め、観察による写実を勧めました。そうして書かれた文章にこそ、書き手の実感がこもり、「独創性」も生まれるということでしょうか。
 こうした指導を通して、大村さんは着実に文章を紡ぐ力をつけていきました。4年生になって書かれた作文に対しては、南吉も彼女の努力を認め、励ましています。
「川原の細部の描写は感覚的でしっとりしている。(君はこの頃非常に勉強した。)」(作文「川原」)
 そして卒業を前に書かれた最後の作文「春と蛇(くちなわ)」には、「すでに文学の域に達している。」とまで記し、賞賛しています。この作文で大村さんは、街で蛇を見かけたことで心のなかに沸きあがってきた不安や懐疑を描きました。ある出来事をきっかけに、これまで何の疑問も抱かずにとらえていた世界がまったく違ったものに見えてきて、そのために自分の内面まで変質してしまうというテーマは、南吉の小説「家」にも通じるもので、「すでに文学の域に達している。」という南吉の賛辞に恥じない秀作といえます。
 南吉の厳しくも的確な作文指導によって才能を引き出された生徒は、大村さんだけには止まりません。南吉は日記に、「僕の教育は芸術家的な教育だ。」(昭和15年1月13日)と記していますが、南吉が残した作文指導の成果は、彼が作家であるとともに、優れた教育者でもあったことを示しているといえます。



●夏休みペーパーアート教室開催(2007.8.25)



8月25日(土)、色とりどりの紙を使って、南吉童話の一場面をつくる「夏休みペーパーアート教室」が開催されました。講師は南吉童話をテーマにペーパーアート作品をつくっている榊原澄香さん。用意された型紙に合わせて好きな色の紙を切り、それを反らせたりして立体感を持たせ、額縁に入れて仕上げました。




●来館者アンケートを行っています。(2007.8.12)

 おめでとうございます。

現在、新美南吉記念館では、来館された方を対象にアンケート調査を行っています。お住まいの地域や性別、交通手段などの基本的なこと以外にも、これから知多半島内のどの観光地に行かれるか、市内の店で食事をされたかなどもお尋ねしています。
また、回答してくださった方には、その場で景品があたる三角くじをひいていただいています。8月11日には三重県の大学に通われる学生さんが大当たりをひかれ、「ごんぎつね」の絵本が贈られました。
今回、収集した情報は、記念館運営の改善と、今後の宣伝活動などに活かしていきたいと考えております。



●中学生が職場体験に訪れました。(2007.8.3)



8月3日(金)、市内の中学校から新美南吉記念館へ職場体験に来てくれました。
<職場体験をした生徒の感想>
新美南吉記念館での職場体験では、主に4つの事をやりました。
1つ目は、他の団体さんに紛れての施設見学。小学校の遠足以来に来た記念館。
小学校の時ではあなり分からなかった作品の事も分かるようになりました。
また特別展もやっていて、興味深いものでした。
2つ目は、収蔵庫見学。「狐」という本の挿絵の原画があり、見せてもらいました。
本だと印刷の関係で少し色あせて見えたけど、原画だととても色鮮やかで綺麗でした。
また南吉が書いた原稿や、直筆の日記も見せてもらいました。
3つ目は、本の表紙などに透明のシールを貼る作業をやりました。
1回貼ると剥がれなく、シワになってしまいました。 意外に難しかったです。
4つ目は、庭の落ち葉拾いをやりました。丁度、台風が来ていたので風が強く、
集めても集めても風で飛ばされてしまい、大変でした。
来たとき、最初は何をやるんだろう?と思っていたけど、作業をしてみると、
意外に大変でした。でも特に大変だったのは落ち葉拾いです。
でも収蔵庫などを見学できて、楽しかったです。
「働く」という事は、大変だなぁと改めて思いました。




●堺市の小学校とテレビ会議で「ごんぎつね」の授業(2007.2.27)



2月27日(火)、大阪府堺市立金岡南小学校と新美南吉記念館をテレビ会議システムで結び、「ごんぎつね」の授業が行われました。堺市は教育IT化推進事業を進めており、今回のテレビ会議授業もその一環です。当日は、まず児童が堺市や金岡南小学校について紹介。続いて「ごんぎつね」の感想を発表してくださいました。これに対し、新美南吉記念館からは矢口栄館長が南吉や記念館について解説し、最後に質疑応答が行われました。今年は「ごんぎつね」が教科書に登場してから51年目。授業手法の進歩に驚くと同時に、「ごんぎつね」が全国で学習されていることをあらためて実感しました。


●造幣局が「ごんぎつね」貨幣セットを発売(2007.2.5)

 

「ごんぎつね」が雑誌『赤い鳥』に発表されて、75周年にあたる今年、造幣局が記念の貨幣セットを発行しました。
内容は
、平成19年銘未使用の500円から1円までの6種類の通常貨幣と、「ごんぎつね」と彼岸花をデザイン(絵:深沢省三)した丹銅製メダル1枚をプラスチックケースに組み込み、ブック型ケースに収納したもの。また、「赤い鳥」掲載当時の文章(旧字旧仮名)と挿絵で「ごん狐」全文を掲載した特製冊子もついています。価格は税・送料込みで2300円。7万セットの発行を予定しています。
2月5日(月)には、造幣局の方が半田市役所を訪れ、榊原市長に見本品を贈呈されました。
申込受付は2月20日で終了しましたが、数に余裕があれば購入可能とのことですので、購入を希望される方は造幣局お客様サービスセンター(06-6351-2626)までお問合せください。





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